【きゃぴにゃんvs.イケワン】2.好物歓迎です

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「どうも欧系マフィアが元らしいけどな、回り回ってこっちの小規模な団体に外注されてたらしくて。でもまあ、この団体のこともいまいち」 「日本警察が潜ってんの?」  いや、と久遠は持っていたコーヒーをひと口飲んだ。 「国際警察の捜査員が潜ってたが、一昨日、被験者の移送日の報告を最後に音信不通になって」 「……マジか」 「今朝遺体が見つかった」  そう、とカレンは小さく呟くとキーボードを叩いた。 「あ。僕のアカウントでケースファイルに入れる」  ん、と久遠が顔を上げると、郷美と榊が入ってきた。 「じゃ、ボスが勝ち取ったな」 「郷美ー、ヘリのライセンス、アップデートしたー?」 「っせえよ」  一気に青筋でも立てそうなオーラを出しまくった郷美。うっかり更新期限を切らしていて、先週松織から大目玉を食っていたからだ。 「大智。自分が悪かったんだからいちいち突っかかるな」  クールな割には沸点の低い郷美の手綱を引くのは榊の仕事。 「カレン。お前も人の失敗を掘り起こすな」 「はあい」  そう。  カレンと郷美は、割と犬猿の仲に近い。 「揃ってるわね」  聞き慣れた声が中二階から降ってきて、全員の視線が一斉に一点を向いた。
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