【CrazieR】1.納豆ピザトースト

2/10
前へ
/403ページ
次へ
 そう。それくらい、Ωの絶対数は少ない。 「しかも、俺がΩ?……ない」 「αの俺が言ってんの。往診頼んだからここにいろ」 「いい」 「お前が外出ると、犯罪引き起こすの」 「何で」 「ΩがHeatする→αが狂って襲い掛かる。たまたまその辺にいたαはいい迷惑だ。俺はすぐに抑制剤飲んで、何とかお前のフェロモンに耐えてるだけ!」 「蹴散らす」 「無理。その時点でオナワ。暴行罪って知ってるか?お前がやってたさっきのやつな。素手であそこまでやっちまうと、正当防衛はきかないの」 「オナワ?」 「Arrest」 「I don’t……困る」  うん。やっぱり英語圏だな。 「だから。薬もらうまで待ってろ」 「まだ換金してないから、ここの通貨は持ってない」 「……どこにいたのオマエ。いいよ、それくらい」 「他人に借りは作りたくない」 「貸さねえ。やるの」 「……?」 「貸しでもなんでもねえよ。俺の身を守るための経費だ。犯罪抑制費用?何でもいいから気にすんな!」  ピンポーン。 「開いてる、入れよ」  返事と同時にドアが開き、不機嫌そうな顔を覗かせた彼は、確かに白衣を着こんでいた。 「んだよ、朝っぱらから呼びつけやがって。まだ勤務中!」  それで来るんだから、実は友達思いなやつかも(笑)。
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

658人が本棚に入れています
本棚に追加