島の暮らし

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島の暮らし

ナビは、砂浜でアサリを掘る、ここの海にも、魚はうじゃうじゃ居るので 魚を獲るのは、初めてだと言うケイナも、面白がって、魚を捕まえる。 櫂は、その魚の、鱗を取り、内臓を出して海水で綺麗に洗う。 エドは、櫂に教えて貰った牡蛎を獲り「大きいぞ~」と、大喜びしていた。 波が寄せて来る、岩の間には栄螺や鮑も、沢山くっついていて 穴の中には、タコも居た。 獲物で重くなった背負い籠は、櫂が背負い、ナビは、虫除け草を見つけて採る 帰りは、上り道なので、ちょっと息は上がったが、家に帰り着くと 櫂は、家の前で火を熾し、バーベキューの用意をする。 火の上に掛けた網の上に、獲って来たアサリや牡蛎や 栄螺、鮑、魚を乗せ、ジュージューと焼き 頃合いを見て、塩やバターや、醤油で味を付け、熱々を頬ばる。 エドは、自分で作った竹のコップに、ワインを入れて飲み 「あ~~っ旨いっ」と、大満足な顔で言い「新鮮だし、自分で獲った獲物は 一味も二味も違いますよね~」とケイナも、パクパク食べながら言う。 「今日は、西側の探検だったけど、明日は、東側の探検だな」 櫂も、山の様に作った刺身や、焼き魚を、食べながら言う。 「探検が終わったら、いよいよ田んぼ作りですね」 ナビも、わくわくした顔で言う。 食事が終わって、一息つくと、ナビは、大鍋に湯を沸かし 出来たばかりの盥で、行水をした。 男達は、水を浴びるつもりだったが、エドもケイナも ナビの様に、行水をしてみたいと言い出し、結局、自分が使う湯は 自分で沸かして、行水するという事になった。 全員が、初めての行水に、子供の様に燥ぎ、ナビに、呆れられる。 さっぱりした所で、櫂が作って来た寝袋に入り、床に並んで眠る。 その寝袋も、初めてだと、エドは、入ったまま「芋虫~」と言って ごろごろと転がり「やると思った」と、ナビに、言われていた。 朝になった、外に出た皆は「うわぁ~」と、声をあげる。 凄い霧で、周りは、何も見えない「これじゃ、探検は無理かな」 そう言いながら、朝食を済ませると、もう霧は晴れ 青い空から、燦燦と日の光が降って来る。 「よし、予定通り、探検に行くぞ~」「お~っ」 東側は、大きな杉の木が、びっしりと生えている森で、その先端は 波が打ち寄せる、切りたった崖になっていた。 横に長い島の北側は、5~600メートル程の山が連なっている。 この山に、海からの霧がぶつかっているのだろうと、エドは言った。 櫂は、枯れた杉の葉や、杉の小枝を拾って、蔓で括り、背中に背負う。 「これは、良い焚き付けになるんだよ」そう聞いた、エドとケイナも 真似をして、束を作り、背中に背負う。 森から雑木の森に戻っていると「これ、栗のイガだよね」と 櫂が足元を見て言う「栗?」「本当ですね、これは、栗のイガです」 見上げると、沢山の、栗の実を持つ、大きな木が有った。 「凄い!!」「拾って帰りましょう」皆は、背中の荷物を置き せっせと拾う「落ちたばかりの奴を拾うんだよ、時間がたっている物は 虫が入っているからな」櫂が、皆に注意する。 「本当だ、穴が開いていて、虫が入っている」エドが、そう言う。 「櫂様は、何でも良くご存じですね~」ナビは感心する。
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