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「おや、今はロボットというのですか?翻訳機の日本語バージョン
古いのでしょうか」「きっと、100年ほど前の言葉じゃないかな?」
「そうですか、では、その100年間は、貴方の様な転生者は、居なかった
という事でしょうね」100年前には、俺みたいな転生者がいたのか。
と、言う事は、今は、日本の記憶を持っている者は、俺以外には居ないのだ。
どれ位の転生者が居るのか知らないが、このロボットが言う、街に行けば
いろいろな事も分かるだろう。
櫂は、そう思ったが、その前に、名前を付けなくっちゃ。
案内人だと言うなら、ガイドさんかな?だけど旅行の添乗員みたいだし、、
そうだっ「名前、ナビさんで良いかな?」櫂は、そう聞いてみる。
「ナビ、、良い名前ですね、有難うございます」
どうやら、気に入ってくれた様で、ほっとする。
「貴方の名前は?」「あ、篠宮櫂、櫂って呼んで」「分かりました、櫂様」
「様は要らないだろ?」「いいえ、サポートする方には、必ず
様を付けるのが、決まりですので」「そうなんだ」ま、好きにしてと思う。
「では、まずブーツを履いて下さい」言われて、足を見ると素足だった。
ブーツを履くと、櫂の足に吸い付く様な感覚に、吃驚していると
「このブーツは、どんな人の足にも、ぴったり合うんですよ」と、ナビが言う
マントは、夜に使うとして、傍に有る、自分のリュックを開けてみた。
キャンプ用具が、そのまま入っている。
転生しても、リュックは、無事だった様だ。
だが、着ている服は、長そでのTシャツみたいだったし
下は、ハーフパンツで、腰には、幅広の革のベルトが締められていた。
「この格好は?」「暑そうでしたので、町で買って来た服を
着て貰いました」と、言う事は、俺の身体を、、、
ま、気を失っている時の事だし
相手は、性別も無いロボットなのだ、気にすまいと、思う。
しかし、本当にロボットなのか?体つきも、柔らかそうな肌も
まるで、人間そのものなのに。
こんなロボットが居る国だ、相当、化学や医療技術が進んでいるに違いない。
早く、街に行きたい、わくわくする櫂だったが
「まだ、街には行けません」と、ナビは言う。
「何故だ?」「櫂様は、まだこの国の一員になったばかり
レベルは、ゼロに等しいからです」「レベルがゼロ?どういう事だ?」
「この国では、倒した者の、種類や数によって、レベルが上がります。
せめて、レベル5位にならないと、この森は抜けられません」
「ナビは、抜けられるのに?」「はい、私はロボットですから」
「何を倒せば、レベルは上がるんだ?」
「最初は、ここらに住む、小動物を狩りましょう、数をこなせば
それなりに、レベルは上がります、まずは、小さな事からコツコツとです」
「え?」どこかで聞いたようなセリフだった。
「櫂様、これをご覧下さい」そう言われて見ると、足元の草に
三角の苺みたいな実が、付いていた。
「これは?」「桃苺と言うものです、食べてみて下さい」
「食えるのか?」恐る恐る、その実を食べた櫂は「旨いっ」と、叫んだ。
確かに形は苺だが、味は、ジューシーな桃だった。
「桃苺とは、良く言ったものだ」櫂は、もう一つ採って食べる。
「こちらは、パンの木です」ナビは、ちょっと離れた所の、大きな木を指さす
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