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テーマパーク
「あ、よかったら、お先にどうぞ。」
とあるテーマパークで、江利は後ろの家族連れに順番を譲った。保は思わずのように言った。
「優しいな、江利さん。」
すると、江利は保の顔をまじまじと見てから吹いた。
「保君、惚れたみたいな目してる。」
「え!? そ、それは困るな。
僕には大奈っていう恋人がちゃんといるんだから。」
「わかってる、わかってる。
ただ、大奈が言ってたことは本当だなって思っただけ。
男への手練手管だとは、思わないんですか?」
江利は上体を傾けて、保の顔を下から覗き込んだ。
保の顔はぱーっと赤くなった。
「わかっていても、だめなのかな?
おもしろーい。」
笑いながら、江利は次に来たジェットコースターに乗り込み、保を手招きした。
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