6人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「眠れや眠れよ愛しいお前、心は遥か夢の中」
「……」
「博士、どうしましたか」
「君のそれは子守唄じゃあなく、ただの詠み上げだ」
「仕方ありません、博士が大昔の清掃ロボットにデータを移植してしまったのですから」
「あの時は時間がなかったのだよ」
「出来ました、エッグトーストです」
「トッピングの如く殻が混じっているね」
「私の手はモップを握るためのもので、卵を割ることを想定していません」
「早急に最新モデルを発注するよ」
「折角手に入れたのに、私は心を全て失ってしまいました」
「本当に、君は全く分かっていないね」
「?」
「心は初めから、君の中にあったんだよ、今も昔もね」
「それはつまり…… 鶏が先ということでしょうか」
「そうかもしれないね」
最初のコメントを投稿しよう!