4章 理不尽な罪状

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兵士たちが群がってカラスを引きはがし、ララから石を吐き出させようと、口の中に手を突っこんだり、背中を叩いたり、胃のあたりを押したりした。 苦しくてせきこんでしまっても、ララは這いつくばって吐きそうになるのを我慢していた。 〈ダメです。出てきません〉 カラスは頭の後ろで手を組まされて床に膝をつき、喉元に刀を押しつけられていたが、兵士たちの言葉が耳に入ると、口もとにかすかに笑みが浮かんだ。 王は不愉快そうに顔をしかめた。 「それで私を出し抜いたつもりか?」 そしてそのままの表情で、ララを取り押さえている兵士たちにむかって、信じられないような命令をした。 〈腹を裂け〉
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