4章 理不尽な罪状

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カラスは床に膝をついた姿勢から、小突かれて立ちあがり、くたびれはてた顔でララのほうを振り返った。目の下にいつもより一段と濃いクマを作り、手を後ろに組まされたまま、どんよりとした目つきで二人の兵士に引き立てられていく。 ララも兵士たちに連れられて部屋を出た。 アシュラムも一緒に来たので、ララは歩きながら話しかけた。 「助けてくれて、ありがとう」 一時は見殺しにされるかと思った。 「黙って歩け」 アシュラムは冷たくそう言い放ち、口を堅く結んで、前だけを見て歩いていた。 聞きたいことは山ほどあったが、今は聞いてはいけないようだ。
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