輪廻Ⅱ『口下手』

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「大概転生します」 「転生?」 「そうです、別の生き物に生まれ変わる。生物とは植物も入ります。同じ人間に生まれ変わる人もいますが極少数です。実は転生が私の本業でして、思いが通じた方には希望の転生を叶えてあげられる」 「本当ですか?」 「あなたに嘘を吐いてもどうにもならない」 「寿命はどなります?」 「人の寿命は全て神が想定したものです。それに逆らうと地獄に落ちる場合があります」 「逆らうって地震とか津波とか台風で死んだ場合ですか?」 「いいえ、天災は神の想定したもので怒りと調整です。交通事故死や思い付きの自殺なんかは想定外です。自殺したら転生も叶いません。この次元の裏にある灰色の空間を永遠に浮遊します」  金原は脅しも込めて話を膨らませて話した。 「どれくらい生きるのか分からないですよね」 「見て上げましょう、前髪を上げてください」  善は垂れた髪を上げた。金原は右手人差し指の腹を天中に当てた。ゆっくりと皺の間も読み込む。山根まで下げて指を放した。 「どれくらいありますか?」 「聞きたいですか?」 「はい」 「あなたの寿命は残り22年と4ヶ月18日14時間と26分27秒、26,25,24」 「もういいです。カウントダウンされると命を削られるような気がします」  善は金原の読み上げを断った。金原は笑って頭を掻いた。大きなフケが囲炉裏に落ちるところを癪が現れてフケを喰らう。
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