僕の災難

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 良平が突然、怒鳴った。驚いて顔を上げた瞬間、ジョッキグラスを顔面にくらった。鈍い音と共に鼻が顔面にめり込んだ。思わず手で押さえる。息が出来なくて苦しい。周りの客たちが悲鳴を上げた。掌から血が零れ落ちる。誰かが「救急車!」と叫んだ。良平が捕らえられた鳥みたいに喚いている。血は止めどなく流れ続け、テーブルの半分が赤く染まった。しなびたフライドポテトにもかかっていた。 「ケチャップみたいだ」店員に羽交い絞めにされている良平が笑った。そして嘔吐した。    、
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