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★★★
長い長い冬休みが、やっと明けた。
明希にどんな顔をするべきか考えながら、学校へ向かう。
怒った顔をするのも、なんだか子どもっぽい。
ここは何事もなかったように、クールに澄ました顔をしようと思ったけれど、廊下の窓ガラスに映ったわたしの顔は、登園拒否する幼稚園児のようだった。
いったいわたしは、なにに怒っているのだろう。
「おはよう、安藤」
その声にぎくりとして振り向くと、佐野は少しだけ居心地悪そうにして微笑んだ。
「お、おはよう、佐野」
「宿題、終わった?」
「うん。なんとか……」
「俺、終わらなかったよ。安藤が返事くれないから」
「えっ」
「冗談だよ。返事はいつでもいいって言っただろ」
佐野はくすくす笑いながら教室へ入り、仲間たちの輪へと吸い込まれていった。
ひさしぶりの教室は、なんだかやけに騒がしかった。
それは休み明けのクラスメイトとの再会による妙なハイテンションとは違い、どこかねっとりとした嫌な空気だった。
いったいなんだろう。
不思議に思っていると、「あめおめ、小春!」と由奈が駆け寄ってきた。
「あけおめ。ねえ、なんかあったの? 変な空気だけど」
「それがさあ、ビッグニュース」
「ビッグニュース?」
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