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「村瀬さん?」
「いや、多分……」
わたしが聞くと、理絵は言葉を詰まらせた。なんだか言いづらそうにそわそわしている。
「リエミちゃん。自分から言い出しといて、今更隠し事はなしだからね」
「……多分、あんたのおじいちゃんだと思う。断っておくけど、あくまでわたしの想像だからね」
「え?」
わたしは理絵の視線の先を凝視した。もちろんわたしには何も見えないのだが。
「なんでおじいちゃんだって思うの」
「雰囲気が似てるし、そもそも、子供の頃からだし」
理絵はか細い声で答えた。
「ちょっと待って。子供の頃からおじいちゃんがわたしについてるの?」
「見えるのはホントにたまにだよ。天音の守護霊さんなのかなって思ってた」
ずっとついてるとは言っていたが、そういう意味だったか。確かにおじいちゃんならやりかねない。もしかして記憶が消えるのも、おじいちゃんのせいでは。
その時、手元から赤い光が溢れた。掘り出したもう一つのペンダントが光り始めたのだ。
空中に人の姿が浮かび上がってくる。それは紛れもない、おじいちゃんの姿だった。
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