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温かいコーヒーを飲むと、やっと気持ちが落ち着いてくる。それと同時に、色んな疑問が湧いてくる。
「ねえ理絵。どこにいたの? 急にいなくなるから、わたし心細かったんだよ」
「どちらかと言うと、わたしの方が探してたんですけど。調子に乗って勝手に滑っていっちゃったのはどこの誰だい」
「はい、すみません」
理絵の冷たい視線で、また身体が凍えそうだ。
「捜索願いを出す寸前だったんだから。マイクさんにたまたま会ったから良かったけど」
「大変申し訳ありません。……マイクさんって?」
「ボクデス」
ずっと側でやりとりを聞いていた銀色異世界人が愛想よく手を上げた。理絵と同じように被り物を取ると、金髪碧眼の青年の顔が現れた。
「ウンガヨカッタ、アマネサン」
彼はにっこり笑うと、片言の日本語で答えた。
「彼はシーズン中、この辺を巡回してる職員さん。ちょっとシャイだけど、いい人だよ」
「職員……?」
「ここ、スキー場の避難施設だから」
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