六.

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六.

「何!?」 ()せてかわした(りん)だったが、 「ちょ!? 何だよ、ふざけんなよ、離せ! くそ! どうなってやがる! 凛!?」 ()(そこ)ねた(さとる)が四肢をアームに(つか)まれて体を宙へ浮かせた。 「(さとる)!?」 天井まで届く培養槽の棚をよじ登り(さとる)を追う(りん)だったが、 「ちっ、まだ出てくるのか!」 さらに現れたアームが襲いかかってきた。 「悟!」 アームをかいくぐり叫ぶ(りん)に、 「(りん)! 構うな! どうにかするからお前は逃げろ!」 もがきながらも答える(さとる)だったが、抵抗も(むな)しくアームに運ばれ闇の中へと消えた。 「(さとる)! くそ!」 さらに追いすがろうと、足場の悪い棚から飛び降りて駆け出そうとした瞬間。 バチッ!! 大きな音を響かせて(りん)の足元から火花が上がり、(りん)は意識を失って倒れた。
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