プレゼントをさがしに

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「向こう着いて適当にカフェとか入ったらちょうどいいかもね」 「そうだね。なおは何が食べたい? カフェはいつも行っているんだろう?」 「まぁ……でもさ、外食って量が多いんだよね。俺そんなに食べられないからカフェくらいの量がちょうどいいっていうか」  常日頃、学食で食べる時はかけ蕎麦だが、それですら入学から半年も経ってようやく完食できるようになったくらいなのだ。  家なら食べる量を調節できるが、学食は配膳の量がそもそも決まっている。  麺類だし減らしてくれとも言えず、四苦八苦したあの頃を思うと懐かしい。 「じいちゃんは? なんか食べたいものある?」 「あそこに行こうか、ほら、この前テレビで特集していた和カフェ。大葉味噌の焼きおにぎり、食べたくないかい?」 「じゃこ入りのね。あれ美味しそうだったね。そういやデパートに入ってるんだっけ……じゃあ今日はそこ行こ」  ランチの先を決め、さらに揺られること数分──電車はいつの間にやら目的地である新星駅のホームへと滑り込んだ。  降車を告げるアナウンスと共に、各車両一斉にドアが開放されると、車内にいた人々が次々にホームへ降り立ってゆく。  泰正と連れ立って電車を降り、改札を抜けすぐ隣接のデパートへと足を踏み入れた。直通エレベーターに乗り込み、まずはレストランフロアを目指す。  該当フロアでエレベーターを降り、目的の店へと赴くと、デパート内のテナントでありながらも純和風に仕立てた店構えに感嘆した。これは期待が持てそうだ。 「入口からして和って感じ」 「行こうか」  スタッフの後について入店すると、店内にはすでに人影があり、それなりに賑わっている様子だ。  週末の昼日中、並ばずに席に案内されたのはラッキーだった。 「いらっしゃいませ。ご注文がお決まりになりましたらお呼びください」  温かいお茶とおしぼりを運んできた店員が、言うなり会釈して去っていく。言葉遣いの丁寧な、可愛らしい笑顔の女性だった。 どことなく、月冴に似ている気がする──なんて思うのは恋人としての欲目だろうか。
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