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「ごめん」
僕は真雪の気持ちを踏みにじったということを知って素直に謝った。
「涼玖とは別れるの?」
と僕が聞くと真雪は、
「うん」
と言って頷いた。
その時真雪は立ち上がって僕に近づいてきた。
どうしたんだろうと思って僕も立ち上がると真雪は涙を流していた。
「志月」
真雪が僕の胸に抱きついてきたので、僕も真雪の肩に手をまわして軽く抱きしめた。
その時、僕は胸に激痛が走った。
真雪が僕の体から離れて、僕は恐る恐る胸を見るとナイフが刺さっていて、白いワイシャツがみるみる赤い血で染まっていった。
真雪は、
「志月、愛してる!」
と言っていた。
僕は窓から見える夜景が、夢で見た夜景だと気が付いた。
そのうち、真雪の顔がぼやけていって、とうとう霧がかかったように目の前が真っ白くなった。
僕は死ぬんだと思った。
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