第601話 子どもと大人の違い

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「最初は少し大きめに伸ばして、そこに固まったフィリングを乗せて……生地を綴じて包めば」  ちょっと丸っこいけど、クリームパンの包餡状態の出来上がり。 『「おおー!」』 「これはあんぱんぽく見えるけど、とりあえずこれを目指して」 「……出来るかな」 『頑張ろう。リト』 「うん! スインちゃん!」  リトくんは誰とでも仲良くなれるから、スインともすぐに仲良くなったんだよね。  人間と魔導具だけど、種族違いの交流に壁だなんて関係ないからさ? 仲が悪いよりはずっといいもん。  だけど……二人ともフィリングのせいで手がチョコまみれになって、練習はいきなり難しかったかと僕は反省しました。 「……ごめん。いきなり難しかったね」 「……ベタベタ」 『いい匂いだけど、難しいー』  僕も専門学校に入る前は相当失敗したけど、あの頃でも高校生くらいの体だ。  まだ小学生のリトくんくらいでは、手の大きさと稼働率が違うから……失敗しやすいのは当然だ。  この子は家庭料理もまだ始めたばかりの、小さい子どもなんだものね?
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