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第1話 テンプレな展開
僕は、諏方賢斗。
パン職人を目指している十九歳の専門学生!!
(…………だったんだけど)
ただいま、僕がいるのは真っ白な場所。
部屋と言うよりは、空間って言葉がしっくりくると思う。
手を伸ばしてみても、壁とかにはぶつからないし……。
で、右斜め前に、誰かが何故か土下座していたんだ。
「……此度は、大変申し訳ない!!」
金髪ロングヘアの人は、男の人でイケメンボイスだった。同級生でオタクだった友人に無理矢理聞かされたのがきっかけで、メディア媒体はいろいろ見聞きしたけど……人気声優さんに匹敵するくらいの素敵ボイスだ。けど、僕は男だから必要以上にはトキめかないが。
「あの……申し訳、ないとは?」
「此度……貴殿の徳を仇で返すことを。我が従者を助けて頂いたが……貴殿は命を落としてしまったのだ!」
「…………そ、う……ですか」
少しずつ……思い出してきた。
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