10.祝宴

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 逃げたくても、彼が私の身体をすっぽり包んでいるので身動きが取れない。胸の先端と、濡れた蜜花をいじられると気持ちよくて顎を上げた。 「ちょっと待って」 避妊具をさっとスラックスのポケットから取り出すと、屹立した自分自身に彼はかぶせる。 「あっ、やっ!!」  ぐりんと向きを変えられて、大きな窓ガラスに両手をつく。腰を後ろに引かれ、お尻を突き出すような格好になる。 「夜景、見たいでしょ?」 「やだってばぁ……ああああっ!!!」  じゅるじゅるっという水音とともに、舌で花芽を弾かれて、快感が全身を駆け巡る。 「いやあああっ!! あつ、と!!」 「すごい、どんどん溢れてくる」 「お願い、早くっ……んああーーーっ!」    挿入ってきた彼の質量は、いつもよりも大きい。蜜路を擦られただけで、軽く果てる。名古屋の夜景に、いやらしくおかされる自分を晒した。  うっすらとガラスに裸の自分たちが映る。ゆさゆさと揺れる胸、気持ちよさそうな篤人の顔。薄目を開けて、それを見るだけでも興奮する。 「花音、好きだっ……」 「んんっ、あっ、わたし、もっ!!」  ばすん、ばちゅっと腰を打ち付ける音が激しくなる。その分体も揺れて、快感をただただ受け入れている自分の意識が少しずつ白くなる。 「まだ意識、飛ばさないで」 「だっ、て……あんっ、さっきから、何回もイッてる、の……っ!!」  目の前の名古屋の夜景が霞んでくる。 「ほら、だめ」 「あっ!! やっ!!」  ぐんっと漲りを引き抜いた彼が、私を正面から抱っこする。 「ベッドいこ」 「やっ!! あああーーーっ!!」  ぐいっと腰を落とされて、奥をいきなり突き上げられる。それだけで果て、しがみついたまま、白い喉を彼に見せてガクガク震えた。
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