1.夜のサブスク契約

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「藤原さんが欲しいです」 「わ、私……?」 「復讐が終わるまで、サブスクで」  サブスクって何? と首を傾げる。永井くんはプッと笑いながら少し離れて、私の喉元にとんっと人差し指を当てた。 「藤原さんの躰、復讐が終わるまで堪能させてください」  「躰?」 「はい、セックスするってことです」 「あー……」  怒りで頭が煮えていた私は、とんでもない提案をされても、正常な判断ができなかった。  あの子に復讐できるのなら、それでもいいか。この際、とことんやってやらないと気が済まない。    私を見下ろす永井くんの濡羽色の瞳。艶やかでセクシーで、胸の鼓動が早くなる。  復讐に協力するかわりに、セックスしたいってことだよね。しかもサブスクってことはほぼセフレ。したい時には応じろという横柄な提案。  ……それも面白いかもしれない。しかも相手は社内一のイケメンエリート。楽しいだけなら不足のない相手だ。  いやいやいや、よく考えよう。めちゃくちゃだよね。いきなりセフレってなに? 「な、永井くん」 「はい」 「キス……」 「え?」 「キスじゃ、だめ? キスのサブスク」  もうとっくに頭のネジはぶっ飛んでいる。私はとにかくあの子に復讐したい一心で彼に返事をした。 「俺、そんなんで満足するお子ちゃまじゃないです」 「なっ……だ、だって……」  セックスしたら溺れそう。そうお腹の奥から湧き上がる何かを、気のせいだと押さえつける。  永井くんは少し考えたあとで、口を開いた。 「試してみますか?」 「何を?」 「セックスの相性」 「え?」  ぐっと体を引き寄せられて、耳元で彼がささやく。 「ヤッてみなきゃわかんないでしょ?」  耳朶に彼の息がふれて、ピクッと身体が小さく跳ねる。
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