【夫婦としての在り方 Side棗】

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 そしてその日の夜、俺は社長と長谷川社長と共に会食をしていた。 「そうそう。棗さん、最近ご結婚されたんだそうですね?」 「はい。4ヶ月前に結婚致しました」 「そうですか。それはおめでとうございます」   「ありがとうございます」 「末永く幸せになることを、心から願っているよ」 「……はい。ありがとうございます」  俺が結婚したという事実は、世間のあらゆる所に広がっている。  だからといって、いい気分ではない。今はマスコミに取り上げられて、一般人の妻である聖良の名前や写真なんて簡単にあげられる時代になっている。    そんなことをされるのだって、俺にとってはいい気分ではない。  それですら、聖良のことを傷付けているとも感じる時がある訳で。  聖良を表に出すのは、正直言うと俺が困ってしまう。聖良がどんな気持ちかを考えると、やるせない気持ちにもなる。  俺は鷺ノ宮聖良の夫として、聖良が平和幸せに暮らせることだけを願いたい。
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