【夫婦としての在り方 Side棗】

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「……棗さん、何かありましたか?」 「え?」  聖良は食器洗うのをやめて、俺が座っているソファーの方に来た。そして俺の隣に座った。 「なんか、元気がないような気がしたので……」  聖良は遠慮がちにそう言った。 「……いや、本当に何でもない。ちょっと疲れただけだ」  だけど聖良に心配かけたくなくて、ついウソをついた。……ごめん、聖良。 「……そうですか?あまり、ムリしないでくださいね?」 「ありがとう。聖良」 「はい」  聖良のこの優しい笑顔が、俺は好きだ。聖良と一緒にいるだけで、ホッとするし、安心感がある。  こんな気持ちになるのはきっと、聖良だからなんだと思う。 「聖良……」   「はい?」   俺は聖良の唇を、少し強めに奪う。 「んっ……棗さん……?」   「今夜、君を抱いてもいいか」 「……はい」 ✱ ✱ ✱    「……聖良」 「んんっ……棗さっ……」    その日の夜、俺は聖良に触れたくて、聖良へのどうしようもない気持ちが抑えらなくて。  「あぁっ、んっ……んっ……あんっ」  聖良のことをベッドの中で激しく抱いた。そして何度も心の中で、聖良に愛していると呟いた。
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