【わたしはあなたの妻です】

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「ああ。……ところで今日は、久しぶりに聖良の手料理が食べたい」 「はい。リクエストがあれば、何でも作りますよ」 「では、久しぶりに聖良の作るグラタンが食べたい」 「はい。分かりました。では今日は、グラタン作りますね」 「ああ。楽しみにしてるよ」 「はい」  棗さんはニ週間前から海外事業の進出に向けて、社長の付き添いでカナダに行っていた。戻ってきたのは昨日の夜だった。  久しぶりに帰ってきた棗さんは、疲れた顔をしていたけど、それでもわたしの顔を見たら笑顔になると言ってくれた。  すごく恋しそうにわたしのことを抱きしめてくれた。  そしてその日の夜は、今までで一番激しく、そして棗さんの甘い吐息や体温に溶かされながら棗さんに抱かれた。…  互いの手を握って、幸せだと言い聞かせながら、何度も棗さんに抱かれた。  棗さんの愛は日に日に大きくなっていて、わたしは彼と結婚してきっと幸せなんだ。  そう思うようになったのは、確かだった。確かにわたしは、愛されている。
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