【偽りで手に入れた幸せ】

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「聖良、忘れ物はないか?」 「はい」 「よし、じゃあ帰ろう。……日本に」   「……はい」    一週間の韓国出張が終わり、わたしたちは日本に帰る準備をした。この1週間本当にあっという間で、新しい事業を開拓するという棗さんの夢を現実に向けて走り出したばかりだ。  だけど棗さんがやりたいことを実現出来るのは、わたしは妻として嬉しい。だからこそ、応援したいとも思う。 「聖良、どうだった?韓国は」 「……すごいです。美人な方がたくさんいらしたし。それに、夕来社長ともお会い出来たので……。もう満足です」 「それはよかった。……飛行機の時間があるから、そろそろ出よう」 「……はい」    わたしたちは荷物を持って空港へと向かった。そして日本に帰ってから、その足でわたしたちは一度鷺ノ宮グループの本社へと向かった。  鷺ノ宮グループの社長に会うためだ。社長と会うのは結婚式以来だった気がする。……なぜだか緊張してしまうんだよね。
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