【偽り夫婦の距離】

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 だけどどうしても気になってしまう。昨日の夜言われた、あの好きって言葉。  頭の中に焼き付いて離れない。     するとその時。スマホが鳴った。棗さんからだった。 「……はい。聖良です」 「俺だ。今日はいつもより少し早く終わりそうだから、少し早めに帰るよ」 「はい。分かりました」 「そうだ。着替えを用意してある。それに着替えてくれるか?」 「え?着替えなんて、置いてませんでしたけど……?」  そんなのどこにあるのだろう?どこにも見当たらなかった。  「寝室の俺のクローゼットを開けてみろ。そこに白い箱が入ってるから。その中に入ってる服に着替えておいてくれ」 「……はい。分かりました」  わたしは言われた通り、棗さんのクローゼットを開けると。そこには確かに白い箱が入っていた。  その箱を開けると、とてもキレイなワンピースが入っていた。    そのワンピースはピンク色のもので。こんなにも可愛いワンピース、わたし着たことない……。  
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