【鷺ノ宮夫婦の初めての新婚旅行】

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 最上階……。す、すごっ……!  こんな最高級のスイートルームに泊まれるのも、棗さんが旦那さんだからだもんね。全部、棗さんのおかげだ。  棗さんがもし夫じゃなければ、わたしはこんなにいい部屋になんて泊まれないから。  わたしの中でも、鷺ノ宮家の存在はとても大きくて、偉大な存在感だった。  何も知らないまま、鷺ノ宮の御曹司の棗さんと結婚することになって。そして今こうして、新婚旅行に来ている。  今日はなんだか、いい日になりそうな。そんな予感がしていた。  知らない間にドキドキとワクワクが大きくなっている。  きっと棗さんがいるから、こんな気持ちになるのだと思う。    「うわっ!すごいっ!」     部屋に入って真っ先に見えたのは、大きな海だった。海辺の部屋だったんだ……! 「いい景色だな?海がすぐそこにあるなんて、いいな?」 「はい。……素敵です。とても」  こんなにいい景色を棗さんと見られるなんて、幸せとしか言いようがない。
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