【鷺ノ宮夫婦の初めての新婚旅行】

13/16
前へ
/125ページ
次へ
「ん……棗さん……」  棗さんの唇が離れると、わたしは急に恥ずかしくてなって。だけど棗さんは、そんなわたしを見て一言゛可愛い゛そう言った。 「棗さん……。お風呂、入らないと……」 「そうだな。風呂に入らないと……」 「はい。……着替え、用意しますね」 「聖良、一緒に風呂に入ろう」  着替えを用意しようとした時、棗さんがいきなりそう提案してきた。  わたしは思わず、その言葉に振り返ってしまった。 「……えっ」 「なんだ?イヤなのか?」 「え、えっと……。その、イヤと言うわけではないのですが……」  今まで一緒にお風呂に入ったことなんてなかったから、そう言われると緊張する。それにきっと、ドキドキしてしまって……。  棗さんの顔を見れないに決まっている。 「じゃあなんだ?」 「だ、だって……。恥ずかしい、ですし……」 「お前の裸は何回も見てるのに、何がそんなに恥ずかしいんだ?」 「へっ……!」
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

243人が本棚に入れています
本棚に追加