5人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
始めて肇ちゃんを見た時、まず思ったことは、
なぜ不良が進学校にいるんだ?だった。
そして、絶対に、こいつと一緒のクラスになりたくない、と強く願った。
正直言って、怖い。怖すぎる。
入学式が終わった後、各クラスへの移動が始まった。
肇ちゃんが、僕の前を歩いている。
僕の願いも虚しく、肇ちゃんは僕が向かっていた教室に入っていった。
しかも、席は、あろうことか僕のまん前だった。
「名前、何て言うの?」
肇ちゃんが振り返って、僕に尋ねた。
「宮野隆司」
僕は声が震えないように細心の注意を払って名前を名乗った。
「いっしょやなぁ」
何が?と思ったけど怖くて聞けない。
「宮野肇、よろしく」
名字が一緒だった。
最初のコメントを投稿しよう!