夕日と猫と肇ちゃん

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始めて肇ちゃんを見た時、まず思ったことは、 なぜ不良が進学校にいるんだ?だった。 そして、絶対に、こいつと一緒のクラスになりたくない、と強く願った。 正直言って、怖い。怖すぎる。 入学式が終わった後、各クラスへの移動が始まった。 肇ちゃんが、僕の前を歩いている。 僕の願いも虚しく、肇ちゃんは僕が向かっていた教室に入っていった。 しかも、席は、あろうことか僕のまん前だった。 「名前、何て言うの?」 肇ちゃんが振り返って、僕に尋ねた。 「宮野隆司」 僕は声が震えないように細心の注意を払って名前を名乗った。 「いっしょやなぁ」 何が?と思ったけど怖くて聞けない。 「宮野肇、よろしく」 名字が一緒だった。
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