始まりの小さな花

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04 思い出すのはあの子の笑顔 「んっ……ぁ、ゆ、めっ……?」  瞼が開いて見慣れた天井が視界に入る。  夢の内容は意識がはっきりとした今も覚えてた。  ふっと笑みがこぼれて、だけど悲しくなって、  自然に開いた瞼を今度は意識的に閉じる。  その時、浮かんだのはあの子の――友梨ちゃんの笑った顔で。  俺の大好きな表情だったから。  だから、胸が締めつけられて、次の瞬間には起き上がってた。  妙に空が恋しくなった。  そういえば音がする。  雨の降る音が。  今日は雨なんだなと思いながら、  窓の向こうに広がる空を見上げた。  雨は嫌いじゃない。  雨は優しいんだってあの子が言ってたから。  だから俺は雨が嫌いじゃないんだ。  そんなことを思い出してまた笑った。  ほんの少しだけ泣きそうになって、歪んだものになってたかもしれないけど。  そして。  今度は俺自身の意思で過去の記憶を呼び覚ました。
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