勇者の集い《つどい》

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勇者の集い《つどい》

王は、怒っていた。 「なぜ、こんなに勇者が集まらんのか!」 と。 そこで、一つの考えを思いついた。 「姫を助けたものには、褒美をつかわそう。」 と。 しかし兵士たちは、反対した。 「もう、資産が追いついていません!」 ずっと、反対された。 しかし、王の意向は変わらなかった。 そこで、兵士は考えた。 「資産を、王の資産から引き落とそう。」 と思った。 そして、国の中には一つの看板が出された。 『魔王を倒す勇者。募集している。うまくいけば1000万ドールをつかわす』 と。 1000万ドールは、日本円で言う2億円だ。 これに飛びついた国民は、たくさんいた。 しかし、逆に、国王への抗議デモも繰り広げられた。 それはそうと、その中に、一人飛び抜けたものがいた。 それが、「ガライ」だったのだ。 ガライが勇者となるのは、国民の総意でもあった。 みんなは、ガライを応援した。 なぜなら、ガライは顔立ちが良く、みんなを大切に思う優しい人であった。 みんなから応援された。 みんなから食べ物や、武器をもらう。 そんな中、魔王はこう思っていた。 「また、ガレイか。」 と。 実は、魔王はとても心が優しいのであった。 だから、自ら魔王になり、人生がつまらないと思っている人を、さらって人生の楽しみを教えてあげていたのだ。 人は、いつでも同調圧力で動く。 力の強い人に従う。 それを壊そうとしていたのが、「ガレイ」であった。 ガレイは、人生を楽しんでいた。 だから人の苦しみを知らなかった。 だから魔王に、対抗心を抱いていた。 だから勇者になれたのだ。 みんなは、お金に困っている。 しかし、「ガレイ」は世界でも有数のお金持ちだった。 みんなは、「ガレイ」にいつも拝んだ。 だから、「ガレイ」は、いつもいい気になっていたのだった。 そこで、自分はなんでもできるのだと過信してしまったのだろう。 勇者になろうと、一番に応募した。 そして自分の軍隊〔この時は、「ガレイ」自身の軍隊を持っていた。もしかしたら、国軍より強かったのかもしれない。〕 みんなが応援する中、「ガレイ」は、神になったようであった。 それを水晶を通してみた魔王は、姫に聞く。 「また、ガレイが来るらしいぞ。」 「図にのっているが、どうする。殺しは、しないからな。」 姫は答える。 「うん。まぁ、殺さなくてもいいから、落とし穴でも、作っておけば。」 「わかった。作らせておく。」 魔王はそう答え、配下に指示を出した。 魔王自身、「ガレイ」が好きなわけではなかった。 というか、どちらかというと、自分を神だと思い込んでいるところが嫌いだった。 みんな平等であるはずなのに… と。
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