彼女の色

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 一人になってからも、僕はピンクの服にピンクの靴を履き、ピンクの帽子を被っている。アマチュアの絵描きとして、頼まれて壁やらシャッターやら看板やらポストやらに絵を描いている。  使う絵の具の色はひとつだけ。ピンク。いろんな濃さのピンクを使い分けて描く。彼女が人生を捧げていた世界をピンクに染め上げる活動を、僕が引き継いだという訳だ。  今日も世界の一部がピンクに染まる。彼女の心の色。愛の色。  ああ、でも、今日は、ピンク一色じゃない。珍しく、黒も使った。なにせパンダを描いたのだから。児童館の扉に、仲良く寄りそう親子のパンダを。 * 終 わ り * 最後まで読んで下さってどうもありがとうございました!
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