石掘り女子高生

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「先輩先輩! シャベルを買って下さい!」 「部費でか? 何に使うんだ?」 「ゴールドラッシュです」 「何処がだ?」 「ウチの近所がです」 「それは凄いな。熱はあるか?」 「感染してませんよう。 ダウジングの能力で僕が鉱石を発見したのです」 「あの棒を持って水脈を発見して井戸を掘る奴か。何でそんな事をしようと思い立ったんだ?」 「犬の霊です。死んだ父が生前、土蜘蛛の財宝について話していたのは星宮先輩にも教えてあげましたよね?」 「沼津市の淡島にあると云うアレか?」 「その財宝を探すために、僕はダウジングの能力を練習して、金を手に入れようと目論みました。ナビの地図を見ながらダウジングを持つと、スクリーンのスライドに合わせて棒が動くのに気付いたのです」 「ほう、面白い。棒に従って何処かで何か発見したのか?」 「棒の指す方角に歩いて向かうと、近所の行き付けの墓地に入って行きます」 「墓地を発掘でもしたのか?」 「はい、白い石が見付かりました」 「骨か?」 「違うと思います。何かの鉱石だと思うのです。これが、その写真です」 af352a6b-d1f2-40bf-9b64-148934e609ea 「確かに、鉱石だな。オークションで売れば、価値があるかもしれない」 「他にも石があるかもしれないと思ってウロウロしていると、「おーい、こっちだー」と、死んだ父の声がします。 声の方に向かうと、死んだ愛犬のラムが大樹の根元を無我夢中で掘り返していました」 「それで、この石を手に入れたのか」 「次は金を手に入れたいです」 了
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