モンカくんとジャンカちゃん

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efc61e24-3006-40ee-9afd-eebeeb68694b 「言わなくても分かるじゃんか」 T字路の分かれ道で、 ブレザーのポケットに手を突っこんで 男の子が口を尖らせて言いました。 白い実が寂しいナンキンハゼの木の枝から、 ヒヨドリが飛びたっていきました。 「言うまで許してあげるもんか」 コートを着た女の子が、 悪戯っぽそうな目で男の子を見上げています。 不意に強い風が吹いて、 女の子のプリーツスカートをはためかせました。 「好きだよ」 男の子がそう囁いて、 二人の頬が真っ赤に染まっていくのを、 ナンキンハゼの木だけが見ていました。 春は、もうすぐです。
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