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僕、フレディー・レインとマリエッタ・アデスト伯爵令嬢は生まれた時からの婚約者。
昔から勝ち気なマリエッタに振り回され、タジタジしていた僕。それでも、元気いっぱい明るいマリエッタが大好きで「マリー、マリー」とひょこひょこマリエッタの後をついて回っていた。
「私、強い騎士様と結婚するの!」
これがマリエッタの口癖。物語の挿絵の凛々しい騎士をウットリ眺め、キャーキャー言いながら応援している姿に僕は口を尖らせる。
「僕が強くなるよ。マリーは僕と結婚するんだから!!」
そうマリエッタに鼻息荒く宣言した矢先……庭園に迷い込んだ野犬にビビり、咄嗟にマリエッタの背に隠れてしまったのだ。
しまった!! と思った時にはすでに遅く、僕に注がれるは翠玉色の瞳の呆れ果てた視線。僕はあのマリエッタの目を忘れない。
猛省したその夜、ベッドの中で固く誓った。
絶対に強くなろうって。
体を鍛え、有名な騎士に教えを乞い、剣の腕を磨いた。今では王宮騎士にも負けないくらいの実力があると自負している。
なのに!
肝心のマリエッタの信頼はガタ落ちのまま。
「強い人じゃないと結婚したくない!!」
マリエッタは僕に会うたび言うが、マリエッタを守れるくらい僕は強くなったと思うんだけどなぁ……
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