03.最高のクリスマス

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 大きく傾いた太陽が、真っ白だったはずの雪の世界をオレンジ色に染める。 「みんな、そろそろ家に帰らなきゃね。お父さんとお母さんが心配するといけないから」  『かき氷だるま』の言葉に、奏多は名残おしく雪の世界を見つめる。すっかりオレンジ色に染まる雪の世界。もうすぐ夜に包まれると予感させる夕陽の色。夜が来れば、きっと氷のような冷たさがこの世界を支配するだろう。  奏多はオレンジ色に染まる『かき氷だるま』に告げる。 「そうだね。今日は本当にありがとう。君のおかげで、最高のクリスマスになったよ」
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