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「寒いから部屋に入りなさい」
奏多の背中に向かってお父さんが言った。奏多はお父さんに振り返ってうなずく。奏多が自分の部屋に戻ると、奏多の心はすっかりクリスマスプレゼントに奪われる。
「お父さん! お母さん! サンタがプレゼント置いていったよ」
枕元に置いてあった、包装紙に包まれたクリスマスプレゼントを両手に掲げる奏多。
「よかったじゃない。ちゃんとサンタさんが来てくれて」
お母さんの言葉に、奏多は大きくうなずく。さっそく奏多は包装紙を開く。包装紙の中から出てきた箱には、ロボットの犬の姿が描かれていた。
「うわあ! 前から欲しいと言ってたロボットの犬だ」
奏多はこれ以上はないというような喜びの顔を浮かべる。そんな奏多の喜ぶ姿に、お父さんもお母さんも満足そうな顔。
「よかったな、奏多がいい子にしてたからサンタが奮発したんだ」
ねえ、本当はサンタさんってお父さんなんでしょ?
奏多は思わずそんな言葉が出そうになるのを必死で抑える。嬉しがる奏多の姿を見て、嬉しそうな両親の顔を見たから。
「うん、サンタさんにお礼を言わなくちゃね」
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