02.冬だけの余韻

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「ただいまー」  玄関のドアが開き、帰ってきたお母さんの声が聞こえた。買い物袋から取り出したのはビニールパックされた氷。お父さんがお酒のグラスに入れるときに使う氷。 「奏多もやってみるか?」  クリスマスなのにかき氷作り。でも、ちょっと面白そう。  ガリガリガリガリ……。ガリガリガリガリ……。  奏多はお父さんに代わってかき氷器のハンドルをぐるぐるとまわす。ハンドルは重く、削りにくい。スーパーで買ってきた氷は冷蔵庫の氷よりは大きいけれど、巨大な塊でもないから。
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