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コンタクト★
今時のカラコンは種類豊富で黒目の大きさを調節出来ます。画期的で目を大きく見せれます。
昔はそんな魔法のようなコンタクトなかったな〜
若い子に乗り遅れないようにしなきゃ、
私はもうすぐ35歳、化粧にかかる時間も昔と比べられない程速くなって10分で終わらせてしまう。
化粧に時間かけると肩凝るしな〜なるべく時間かけたくない、そして何よりカラコンで雰囲気が変わるので年齢的に適したカラコン選ばなきゃ。
そろそろ黒目を大きくするの辞めた方が良いかな。周りの友達は薄化粧にカラコンもかなり自然なモノ。
友達にも自然なの買う方がいいと勧められている。だかしかし、妥協したくないのはやはり黒目を大きく見せるカラコンに見慣れている為なかなか切り替えが難しいのだ
そんな時…
ーメロディーー
「らーしゃいせー!らーしゃいせー!っと〜、ご自身に合ったカラコン!迷ってる暇はない!
今ならワンディ「1日」お試し無料サンプル付き〜!らーしゃいせー!」
「って、大根の叩き売りのような?
ミスマッチな呼び込みだけど丁度良いや!気にしないで見てみよ〜」
「らーしゃあせー!らーしゃい!
おお!お客様ですか〜覗いて行く価値あり!
沢山のカラコンがありますよー!」
「わーなんだかクリスマスみたい!賑やかなお店ですねー!カラコン探してて」
「お客様ならこのピンクのカラコンどうでしょう!お似合いになりますよ!今回はお試し無料サンプル付き〜ワンディです〜」
「ピンクのカラコン派手すぎます〜あまり目立たないカラコンありません?」
「ちなみにピンクは1年保証付き、1年以内なら新品と交換させて頂きますよ!」
「いや、普通の目立たないカラコンにしたいんです!」
「大丈夫大丈夫、付けて頂ければご納得して下さいます」
と、にこやかに、キラキラしたお店で言われると困ったなーおいくらですか?
「4800円です〜」
「金額的には平均的か、まーこんなお店で買うの初めてだし気分転換に買ってみよ」
「お客様ありがとうございます、1年保証がありますので何かありましたらいつでもご連絡にてご対応させて頂きます」
「どうも…」
「それにしてもキラキラしたお店だったな〜あー眠い」
そのまま帰宅して眠る事にした。
「明日休みだからゆっくり寝よ」
ー翌朝ー
「あーゆっくり寝て気持ちいい!今日は美容院にでも行こっと、あ!カラコン派手だけど楽しみだな〜やっぱり新しいものを買ったら嬉しいよね」
朝食に朝の支度化粧を終えてカラコンを付ける事にした。
「よし!!あれ?ピンク過ぎなさすぎ、え?全然ピンクぢゃないじゃない、透明だよ」
そんな時だった。
魔法…?
にかかったように、私の目に合わせてカーブ、そして年齢層に見合ったではなく、私に似合う度合い、黒目の大きさに変化しだした、そして色合いがまたとにかく魅力的なヘーゼルにピンクを混ぜたような、だけどしっかり目力がある自然だけど存在感のある私にぴったりのカラコンに変身してくれた。
「裸眼でいるようなつけ心地、しかも自然なのにハーフのような素敵な色、私に似合ってる!買って良かった〜」
その時である。
「わー!!」「何じゃこれ」??
「何これ?」
「あなたの眼球を診ています。あなたは高校生の時カラコンを付けたままよく寝ていた事から眼球が弱くなっていますね、それに残業している事から充血と、目の神経が疲労度を下げて欲しいと望んでいますので、ピンクのカラコンを今日外さず睡眠を取って下さい。宜しくお願いします」
「何ー、それ、そんな事あるの?めちゃくちゃ当たってるし、これ私へのクリスマスプレゼントみたいだわ!何より有り難いぢゃん!ラッキー!」
そう思った事からコンタクトの先生の言う事をきちんと理解した上で、指示に従う事にした。
「おーいらっしゃい!今日はどんな髪型にする?」
「あーサッパリした!ありがとうございました〜!」
「美容院も好みのヘアにしてもらったし、何より目が見えやすく色がとにかく可愛くて、
あ!今日カラコン付けたままだっけ?
お風呂にも付けたままでも何の違和感も無く過ごし、カラコンを付けてる事を忘れる程だった。
ー翌朝ー
「あー良い天気!」
カラコンの事すっかり忘れて顔を洗って見てみると、
「あれ?カラコンは?」
本当の裸眼になっており、昨日までの可愛い色合いが消えていた。
「どうなってんの、、え??」
すると、自分の黒目がクルクル回り初め、次はかなりの黒コンのようなハッキリしたふちに変化しだした。
「おーー!。先生!眼球の!びっくりした〜」
「睡眠を取られてから現在まで、眼球のコンディションを整える為に気になった点を集中ケアさせて頂き、尚且つ必要な栄養素をたっぷり与えて一晩で1年間の眼球トレーニングになっております。」
「そう言えば、遠くも近くもボヤボヤしてたのに、見える。見え方も人の毛穴まで見えそうだよ」
「通常2.0視力がありますと毛穴まで見えるレベルであります。」
「ぢゃあ、私、今2.0?」
「仮の2.0でございます。」
「仮?って事は治療を受けていればそのうち
視力回復するって事だね!わーい!」
「どうぞご心配なく、お過ごし下さい。」
それから私はカラコンを一度も取る事なく1年の月日が経つ頃に、
「あー先生!いつもありがとう!もうすぐ1年だからカラコン新しいのに変えなきゃね!」
「そうですね!」
「目の見えやすい事なんの!もうカラコン付けなくても平気かもね!」
「ひとまずカラコン取る為にも連絡入れなきゃ!お店に!自分で取れないでしょ1年も付けたままなんだから」
「どうも初めまして、こんちはちはー!カラコン付けたままの1年どうお過ごしですか?」
「誰ですか?」
えっとー視力回復して自分に合った黒目の大きさになって色合いも可愛くて!…………?
あと…
何だっけ?」
「カラコン、もう外しました。
私は先生の助手です。
実は。
あなたはカラコンを買いに出た日、生死を彷徨い、ではなくすでに魂になられていました。
しかし、この世の発達した技術共にコンピュータを使い、あなたの瞳から
「記憶」
を採取し、あなたが生きて来られた人生を解読し、甦らせる為に魂である事に気付かない生活を異次元で行っておりました。
ようやく1年経ち、あなたは人として蘇る事が出来る。
かつての希望が実現する瞬間なのです。」
「さあ、生まれ変わって生きていきましょう」
「身体に生体に入り込むロボットを内蔵した技術と共に、文化は広がるのです。」
「え、ちょっと意味が分からないんだけど、
そうなの?私…一体…。」
「カラコンが取れたって事は、もう機械が身体に入り込んでるって事?」
「そう、あとは人として蘇るのです」
「分かったわ!
人として。。。」
「ちょっと待てよ?私勝手に記憶見られてたの?蘇るのは嬉しいけど、ってよく分からないんだけど!
この1年間蘇る為に費やしてきたのなら、私記憶が1日しかない、何してたか何も思い出せないの、、
そうだ!
お試しワンディ無料だったよね、
付けて、ちゃんと記憶に残して見てみなきゃ分からないよ!」
ワンディを付ける事にした。
すると、
ーメロディーー
「いらっしゃいせー!!
いらっしゃいせー!!」
「はっ……!
え??」
「お客様」
「ワンディのお試し無料サンプル。
いかがでしたか?。こちらの記憶に誤りがございましたらお伝えください〜」
…気が付くとキラキラしたお店の中、
…カラコンを買いに出た日だった。
ようやく気が付いた。
それは、
このカラコンのお店の無料サンプルは、
クリスマスプレゼント、
ではなく、
無料サンプルの反対で、相手に自分の記憶、そして人生を変更させるワンディだった。
もし…あのままワンディを付けず、先生方を信じてしまっていたら、私は無料サンプルから目を覚ませず魂になり、先生が私の身体に入る事が出来て私としての記憶も手に入れ人生を経験出来ると言う世にも恐しい仕掛けがあったのだ。
先生や助手は、人に生まれたい一身で身体をコンピュータに繋げ、いつでも魂を交代出来るように待ち望んでいる。
いくら綺麗な場所でも、いくら優しく接してきても、相手がどんな考えで居るかは誰にも分からない。
奇妙なお店の入り口に入らぬよう、人を良く見て、信じ過ぎないように距離をあける事が何よりである。
ーこの日を境にー
コンタクトを辞める事にした、自分自身が1番の味方だと自分で自分を守れるように。
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