スプーン2杯の甘さ(詩)

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スプーン2杯の甘さ(詩)

コーヒーは ブラック党の僕 スプーン2杯の砂糖をいれる君 僕は「そんなの甘すぎるよ」と言い 君は「そんなの苦すぎるよ」と言い 味覚の違いなんかで 理解がない なんて言葉を使ってしまったりして でも何となく 譲歩することを覚えてからは お互いにスプーン1杯の砂糖で飲むようになっていた 手をつないだ回数分 僕らはきっと理解しあってこれた 抱きあえた回数分 相手を自分の中に取り入れてこれた スプーン2杯の甘さをちょいと抑えて ブラックの苦さをちょいと和らげて 安定している恋のように 落ち着きすぎない愛のように 程よい甘さを大事にしよう スプーン1杯の砂糖で 君が「おいしい」って言ったとき ふと少しだけそう思う 僕がいるような気がした
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