始めてのメール

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始めてのメール

私は個人的に誰かとメールのやり取りをしたことがない、午後過ぎて出動要請が来て患者を搬送して病院へ戻ったのは夕方だった。 ロッカールームで着替えを済ませ私物のスマートフォンを見る………一聖からメールが来ていた。 一ノ瀬 一聖(いちのせ かづと)からのメール。 退院するのは知っていた、だが出動要請で行けなかった…… メールには退院祝いをしてほしいとあった……今日の退院を祝ってくれる人はいないのだろうか………。 すぐに返事をした【今夜お祝いしよう】……そう送った。 メールから喜びが伝わってくる……私への気持ちが溢れていた。 逢いたいと思っているのは私も同じだった…… 約束の時間に間に合うように仕事が終わって、待ち合わせの時間と場所をメールした。 一聖の姿は見えていないにもかかわらず、メールを待つ一聖の気持ちが伝わる気がした。 すぐに返事が来た……やっぱり………私からのメールを待っていたのだろう。 待ち合わせの場所で彼を待った……嬉しそうに手を振って走ってくる 一聖(かづと)。 おもわず「走るな」そう言ってしまった。 まだ完治していない、だから無理はするなって言われたはずなのに…… 「成瀬先生」 そう言って前のめりに倒れこんで抱き着く…… 「 一聖(かづと)」 そう呼ぶと嬉しそうに笑った…… 「先生 一聖(かづと)って呼んでくれてありがとう」 「 一聖(かづと)は先生って呼ぶのか?」 「ごめん、(りょう)さん」 「行こうか?何食べたい?」 「焼肉」 「よし!行こう!」
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