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カサカサと黄色い落ち葉が舞う秋になり、孝太郎さんは大々的に婚約を発表した。
相手は社長のご令嬢。
……どういうことなの?
孝太郎さんは私の旦那様なのに。お空に帰った私たちの子供のお父さんなのに。
……そうか。
その女に騙されているのね。
私から孝太郎さんを奪う社長令嬢。なんて悪いやつなのかしら。
もしかして、私と付き合う前に孝太郎さんが付き合っていた頭が悪くて底意地の悪い金遣いの荒い女って、その社長令嬢だったの?
もう、仕方ないわね。そんな女にまた騙されて。
目を覚まさせてあげるわ。
私の目には、燃え上がるような真っ赤な紅葉が映っていた。
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