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感動して泣いていると颯人さんは私の涙を拭き取り頬にキスをした。
「蒼、ありがとう。こんなに沢山の幸せを貰えるなんて俺は本当に運がいい。」
「颯人さん…私も沢山感謝したい事があります。」
私は優しく微笑む彼を見た。
「私、颯人さんと会った頃、恋も男の人も一生いらないって本気で思ってたんです。あの頃は本当に男の人には懲り懲りって感じで犬がいれば私はきっと十分に幸せだって思っていました。
でも、颯人さんが後押ししてくれたお陰で私の世界は大きく変わりました。あれから颯人さんに恋をして、愛し合って、そして色々な問題に直面して、それを二人で一緒に乗り越えて…。その度に私は今まで知らなかった幸せを沢山颯人さんから教えてもらいました。
もしあの時颯人さんに出会わなかったらこんな幸せがあったなんてきっと一生知ることはなかったと思います。颯人さんは狭い殻に閉じこもっていた私を救い出してくれたんです。」
私は腕の中にいる子供達を見た。きっと私は彼を愛してそしてこの子供達と出会う為に生まれてきたんだと思う。
颯人さんは私の額にコツンと額を合わせた。そして私を覗き込むと嬉しそうに微笑んだ。
「蒼、愛してる。一緒に幸せになろう。」
暖かい日差しが病室に差し込む中、彼は莉央と玲央の頭にキスを落とした。そして私を腕に抱くと愛おしむようにキスをした。
── The End ──
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