藍染

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「じゃあ、そのシャツをここに入れて」 染料の入ったバケツに、輪ゴムだらけのシャツを沈めた。 「……で。いつできるの?」 「そうねぇ。濃い色なら10分くらいかしら。もっと早く上げると淡い色になるわよ」 思ったより早くて驚いた。 半日とか、1日はつけておくものかと思ったから。 「濃い色がいいかな」 「なら、10分くらいかしらね。……お茶でも淹れましょうか」 「紅茶」 「了解」 歌うようにそう言った母は、家の中に戻って行った。 私は、シャツの沈んだバケツを見下ろす。 想像通りの模様になるだろうか。想像と違っても、それはそれで面白いからいいんだけど。 「入ったわよ~」 「はーい!」 バケツから離れ、リビングへ向かった。
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