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「な……んで……」
朦朧とした頭に男の声が響く。
「なんでってあんたが俺の依頼人の娘を殺したからでしょ?」
「あた……し、コロしてなんか……」
「そんな言い訳が通用するとでも?」
そう言って男は落ちていたスマホを手に取ると、私の髪をぐいっと引っ張った。
「やっぱりな。生体認証だ。殺しちまったら開かないんだよな」
男は手袋をした指で私の目をこじ開け、スマホのカメラをかざす。
「よし開いた!」
男はメモを見ながら何やら打ち込むと、スマホをカウンターの上に戻した。
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