217人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
「反省?」
「うん。だから、病院も一回行ってみようと思って」
「え……」
素直に驚いた顔をされてしまって、準平は小さく笑った。
「行けって言ってたの、篤生くんでしょ」
「いや、それは、その、そうなんだけど。……ほら、準、けっこう行くの嫌そうだったから」
「嫌だよ」
はっきりと言い切って、もう一度軽く笑う。篤生と違って、カウンセラーにも、病院にも、自分は良いイメージを持っていない。
専門家とは言え、知らない相手に胸のうちを明かすことに抵抗はあるし、ましてやプレイなんてとんでもないと思ってもいる。
でも、いつまでもそうも言っていられない、と。ようやく思うことができたというだけだ。
踏ん切りがついた、ということでもあったかもしれない。
――だって、一番傷つけたくなかったはずの人に、我慢できなかったからな。
だから、いくら彼が許しても、これ以上は駄目なのだと自分が決めた。
「でも、まぁ、そうも言ってられないし。篤生くんのおかげで
、ちょっとケアプレイの抵抗も薄れたから」
半分くらいは、嘘ではなかった。だから、一回行ってみるよ、と告げた準平に、ほっとしているのかどうなのか、わからない顔で篤生が頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!