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吾輩はグリンピースである。名前は……あ、おい、待て。行くなっ!
ふんっ。どうせ、俺らのことなんてお前たちはどうでもいいんだろ。だがな、少しぐらい時間をくれたっていいじゃないか。せっかくお前ら人間の中で有名な話の一文を覚えたんだから。
こほん。もう一度やるぞ。
吾輩はグリンピースである。名前はまだ無い。
ん?なんだ?俺なんかに名前をつけるやつなんかいないって?だから、永遠に名前なんて無いままだって?
そ、そんなこと分かってるっ。ただ、ただ、お前たちの気がひきたくて、インパクトのある文頭にしたかっただけだっ。つーか、実際に野菜一つ一つに名前つけているやつがいたら、鳥肌が立つわ!怖いだろ。料理目の前にして、「この子はリン子、この子はグリ男……」とかやってたら。名前なんてこっちから願い下げだっ。
な、なんだよ。その冷たい視線は。俺だって言いたくてあんな「吾輩は〜」ってセリフ言った訳じゃないんだぞ。誰があんなふてぶてしいやつのセリフなんて言いたいかっ。こんな風にしなきゃ、お前ら、俺にこれっぽっちも興味を持ってくれないだろうが!
……まあいい。俺、今回はお前らに言いたいことがあるんだよ。いいか?よく聞けよ!?
お前ら、なんでそんなにも俺らグリンピースを嫌うんだよ!?
見た瞬間、一言目に「ゲッ」は無いだろう!なんだよ、その親の敵を見るような目はっ。俺なんかしたか?ただそこに存在していただけだろう?なんならお前らの役に立つためにいるんだぞ?
よし、せっかくだ。今回はお前らにグリンピースを好きになってもらおうじゃないか。俺、結構凄いんだぜ?
……自意識過剰じゃないっ!なんなんだよお前ら、キィィッ!
覚悟しとけよ!
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