第一幕〜今日からお父さんです〜

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私の記憶にある代替わりお父さんの1人目の話をしよう。 ここでは代替わりお父さんを順番に1代目、2代目、3代目と呼ぶことにする。 実の父のことはホンモノで固定する。 1代目の容姿は 身長が高い、体型は細い。アスパラとまでは行かないけど細長いイメージがある。 髪が首元まで伸びてて眉毛の形が変な人。 もう、どんなふうに変だったかは覚えていないけれどいつもその眉毛を見ると海苔巻きベーコンを思い浮かべてた。 あと、出っ歯だった。 多分ね。27年前くらいのことだからもうおぼろげだけど。 1代目はよく某アニメの園児の真似事をしていた。 まだ私は園児だったし一緒におしりをふりふりして遊んでた。 たまに、1代目は母とプロレスごっこをしていた。 裸ではないので仲良くしてた訳じゃなくて 髪の毛掴み合ってたから、多分そーゆーこと。 そして2回くらいはお巡りさんが家に遊びに来ていたから まぁそれもそーゆーこと。 あと、母が祖母に取っ組み合いの喧嘩を一方的に繰り広げてるときは 1代目は私を押し入れに閉じ込めて、自分もそこに閉じこもった。 それから、ネズミばーさんが来たんだと言って怖いから耳を塞いでてあげると両耳を両手で塞がれた。 ネズミばーさんではなく、おばぁちゃんなのに なんでそんなわかりやすい嘘をつくんだろうか? 幼心に思ったけど、私は優しくて賢ったから 素直に従った。 本当は祖母を守ってあげなきゃならないのに 怖かったから、素直な子供のふりをした。 1代目との思い出はあまりに古い記憶だからあんまりないけど お父さん、らしかった。とは思う。 一緒に遊んで、夜は仕事の母の代わりに一緒に寝てくれたりもした。 お風呂も一緒に入って 東京タワーを髪で作ってくれた。 あと、お湯に浸かってタオルでタコを作った。 いろんな動物を家に持ち込んでは母が固まっていたのを覚えている。 そして数日すれば動物は大体家から居なくなっていた。 元気で幸せにやっていける家に行けたんだろうと願っている。 あと、1代目には多分家族が居た。 私より小さい子供がいる家に行ったのを覚えている。 母はその家を出たあと 泣きながら私の手を引てひたすら歩いていた。 「お別れしたの?」 と、聞くのは流石に辞めた。 お父さんはもう居ないんだなぁと納得することにした。 そのあとホンモノの家にしばらく私だけ預けられていた。
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