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「すごい光。きれい……」
「幻想的ですね」
青や赤、緑など、色がゆっくりと変化して、いつまでも見惚れてしまう。なんとなく掛井さんと手を繋ぎたくなるが、ポケットのスマホが震えて、慌てて引っ込めた。
見ると、父親からのメッセージである。
たぶん、昼間に送ったメールの返事だろう。せっかくロマンチックなムードなのにと思いつつ、一応確認してみる。
「えっ……?」
反射的に掛井さんを見上げた。
「どうしたんですか?」
「ち、父が、写真を送ってきたんです。昔、母と犬山をデートした時に撮ったものだって……」
「お父さんが、犬山の写真を?」
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