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掛井さんらしからぬ強引なふるまいに、私は目をぱちくりとさせた。
「やっぱり、あなたは運命の人だ」
「掛井さん……」
頬を紅潮させて、蕩けそうな顔でそんなことを言う彼が、とてつもなく可愛くて、とてつもなく愛しい。
不思議な巡り合わせに、きっと、運命を感じているのだ。
だけど、それにしても――
「か、掛井さんって、ロマンチストなんですね。私に負けないくらい」
「ええ。かなりのものです」
そして、情熱的。
人目も気にせず抱きしめられて、ドキドキしっぱなしの私だった。
二人並んで、雪の街へと歩きだす。
駐車場に着くまで、彼が私の肩を抱き、一つ傘の下、しっかりと寄り添ってくれた。
そして車に乗り込むと、待ちきれないようにキスをした。
情熱的に。
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