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「ユウくん。自分はお酒に弱いってわかってるよね?」
「……はい」
「このままだと絶対また同じ事する。私はもう、高速でお迎えなんてしたくない」
「はい、ごめんなさい」
再び床に額を擦り付ける。
なんだろう?その様子から尻尾と耳が見えて来る。
かわいらしい姿を想像して思わず緩んだ頬を、キュッと引き締める。
ダメ。今回は絶対許さないって決めたんだから。
「じゃ、ここにサインしてくれる?」
「サイン?」
「そ。もうお酒を飲みすぎませんってサイン」
手にした紙をユウくんに渡す。
帰ってきてからすぐに作成した〈誓約書〉。
ユウくんは書いてある内容を読みもせず、サラサラッとサインした。
「はい。これで許してくれる?」
手渡された誓約書のサインを見て、私はユウくんにニッコリ微笑んだ。
「ありがとう。じゃ、執行するね」
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