お仕置きが必要です

10/13
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「ユウくん。自分はお酒に弱いってわかってるよね?」 「……はい」 「このままだと絶対また同じ事する。私はもう、高速でお迎えなんてしたくない」 「はい、ごめんなさい」  再び床に額を擦り付ける。  なんだろう?その様子から尻尾と耳が見えて来る。  かわいらしい姿を想像して思わず緩んだ頬を、キュッと引き締める。  ダメ。今回は絶対許さないって決めたんだから。 「じゃ、ここにサインしてくれる?」 「サイン?」 「そ。もうお酒を飲みすぎませんってサイン」  手にした紙をユウくんに渡す。  帰ってきてからすぐに作成した〈誓約書〉。  ユウくんは書いてある内容を読みもせず、サラサラッとサインした。 「はい。これで許してくれる?」  手渡された誓約書のサインを見て、私はユウくんにニッコリ微笑んだ。 「ありがとう。じゃ、執行するね」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!